お話の、あるところ。

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竹の子書房用:黒実 操

聞き書き曲馬団

 ひとつ、お話をしましょうか。
 あなたの好きそうなお話を。
 目無し娘の思い出です。
 昔々の、わたしがまだ子供だった時分。
 生まれ育った村に、見世物が来たことがあるのです。相当鄙(ひな)びた村だったので、そういうものが訪れたのは、わたしが知るに初めてのことでした。
 どういう伝手(つて)だったのかは知りません。
 何しろ、女子供ばかりじゃなしに、大の男や年寄りまでが、おおはしゃぎしたものです。
 わたしも浮かれて、村中を踊りまわっておりました。
 そこで、何がきっかけだったか忘れましたが、妙な言葉を聞きつけたのです。
 めんないさん、という言葉でした。
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竹の子書房用:黒実 操

 近江貞良の話 ――邪姫降誕――

【はじめに】
イラストレーター酒井康彰さんの絵画作品、クトゥルー神話のクティーラをモチーフにした『――邪姫降誕――』に触発されて書いたお話です。
酒井さんのご厚意で許可をいただきまして、物語の一番最後にその作品をアップしております。
ブログの仕様により、作品の右側がわずかに切れております。画像をクリックしていただくと、完全なクティーラちゃんをご覧いただくことができます! どうぞご堪能ください。

クトゥルー神話、クティーラをご存じない方にも読んでいただけると、嬉しいです。
ちょっぴりクティーラちゃんのことを、ぐぐっていただけますと、より楽しんでいただけるかもしれません。


それでは下記より始まります!


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竹の子書房用:黒実 操

子買双紙  著:黒実操




 ――お伽噺(とぎばなし)



 キヨは記憶を巡らせる。
 いつが最初だっただろう。
 ――夜中に目が覚めたとき、母が隣に寝ていなかったのは。
 ――夜中に目が覚めたとき、母が咽(むせ)び泣いていたのは。
 ――夜中に目が覚めたとき、母が――母が――。
 キヨの気管が、ひゅっと鳴った。
反射的に喉元に掌(たなごころ)を向ける。しかしその皮膚に触れることは躊躇(ためら)われ、ようよう、その手を下げた。
 見れば、爪が伸びている。
 どうして――こんなに爪が伸びているんだろう。
  

竹の子書房用:黒実 操

【三面推理・名画の謎、解明か?・探偵Side】黒実操著


「あんまりこんなことは言いたくないんだが、若い人がそんなことではいけない」
 丸眼鏡の巡査が、ニコニコしながら耳に痛いことを言う。俺の記憶が正しければ、五回目のループだ。
何を隠そう、俺は駅員にこの交番へと突き出されてしまった。
 推理に熱中するあまり列車を乗り過ごしてしまった挙句、所持金では差額が払えず――駅員に持っていた小銭を取り上げられたが、全然足りなかったのだ。

竹の子書房用:黒実 操

絵が先『絶叫』より。『絶叫』  黒実操

 あの女は家族を捨ててオトコと逃げた。
 その噂は、子供だった私の耳にも届く。
 現に、母は家に居なかった。
 父は何も言わず、私の面倒を見てくれた。
 オトコがかつて守っていた社(やしろ)は、消えた主(あるじ)の代わりに穢れを押し付けられ、たちまちのうちに寂れ果てる。
 ご神木は、一抱え以上もある大きな桜だった。オトコが社を去った夏には、青々と葉を茂らせていたのだが、すぐに立ち枯れてしまった。まるで、罰を引き受けたかのようだと、囁かれた。
 その枯れ木が倒れたのは、翌年の春。父も、私を置いて姿を消した。
 私は遠い街の親戚に引き取られ、そして――。
プロフィール

黒実 操

Author:黒実 操
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