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『夢見る病気』豊原ね子

投稿作品『夢見る病気』〈7〉 著者:豊原ね子

第一章 Deus ex Machina(第一枝 冬) 第三話――2/2

 ―3―

 河岸から歩道に上り、風が弱まるほうへ歩いた。闇の底では家々が、吹き飛ばされまいと身を寄せ合っていた。
 どこか遠くで、外れかけたドアが煽られるままに開閉している。路地の迷路を通って識の耳にも届いた。適当な家のドアを引く。略奪にあったようで、鍵は壊れていた。
 真っ暗な家の中は、外より更にひやりとしていた。それでも風がないだけいい。ドアを閉め、息をつく。燃やすものと火種はないだろうか。いいや、この家々に手榴弾を投げつけたらさぞかし暖かいだろう……。
 浮かんだ考えを慌てて打ち消す。少しどうかしている。
 台所に菜種油の缶が捨ててあった。缶に居間の新聞紙を放りこみ、火をつけた。湿っていてすぐに点かなかったが、そのうちオレンジ色に燃え上がった。
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