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『夢見る病気』豊原ね子

投稿作品『夢見る病気』〈18〉 著者:豊原ね子

第二章 Reginita(第十二枝 春) 第三話――4/5

 ―10―

 電気が停まっていたのは基地の建物だけではなかった。霊子変換機は一台ずつはたらきを取り戻していった。復旧した電力は基地の修繕へと優先的にまわされた。工場街の明かりは一本、基地へと続く細い光の帯があるだけで、あとは暗黒のままという有り様だった。変換機がダウンした理由はまだ不明のままだ。独立した電力で動く懐中電灯も点かなくなったというのは妙な話で、トンボの影響を疑う声が強い。誰もまだ見ぬ世界の人間の干渉の影響だなどと言い出したりはしない。
 基地の屋上から滑車とロープを使って、瓦礫を包みこんだ網がおりてくる。
 瓦礫を積んだ一輪の猫車を押し、背中の曲がった老人が歩いていた。猫車の運びは不安定で、左右に大きくぶれていた。建物から少しはなれたところで車輪が小石に引っかかると、ついに老人は猫車ごと横に倒れた。
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