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『夢見る病気』豊原ね子

投稿作品『夢見る病気』〈19〉 著者:豊原ね子

第二章 Reginita(第十二枝 春) 第三話――5/5

 ―12―

 新聞紙が舞っている。
 石畳を。
 打ち捨てられ、風に吹かれ、人の足に纏わりついては蹴られた新聞が。
 その大判の新聞紙の、一番外側の一枚が、風に舞い上がって浮かぶ。乾いた音で石畳をこすりながら、こちらにやってくる。
 新聞紙の裏に大きな顔が張り付いている。古い記憶の女の顔。狂笑。その唇の赤いつやめきが、夜闇に鮮やかだ。
 見てやる。
 ミナシキはうつ伏せに倒れたまま、新聞紙が来るのを待つ。
 王レンシディのその顔を、見てやる。どういう目をして笑っているのか、見てやる。
 手を伸ばそうとするが、指一本ピクリとも動かないことに彼は気付く。そもそもこんな所に倒れていることが変だ。さらに、見てやるも何もどうやら目を閉じているらしい。だが見える。石畳を舞う新聞が。それに張り付いたレンシディの顔が、大きすぎる口が。
 これは夢だ。
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