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『夢見る病気』豊原ね子

投稿作品『夢見る病気』〈25〉 著者:豊原ね子

夢見る病気〈25〉 第二章 Reginita(第十二枝 春)
第五話 死者の国の生者――3/3

―8―

 お姉ちゃんが、妹の為にとうもろこしのスープを作ってくれる。子供用の高い椅子で、幼い妹としてのリコリスが出来上がりを待っている。お姉ちゃんは踏み台を使って鍋と向かい合っていた。その背中から、視線を、目の前のぶどうのジュースに移す。
 ここには食べるものも飲むものもないと聞いたはずだ。
 難しいことはわからない。それに、どこで誰からそんな話を聞いたかも分からない。
 妹は難しい顔をして、真剣にぶどうジュースを見つめる。濃い紫の液体とガラスがその顔を照り返す。やはり、飲めない液体であるとは思えなかった。
 コップを握り、顔に寄せる。
 飲む。
 やっぱり、飲めた。そして正しくぶどうの味がした。
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