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『夢見る病気』豊原ね子

投稿作品『夢見る病気』〈32〉 著者:豊原ね子

夢見る病気〈32〉 断章・オルガレータへようこそ Ⅴ

 ―過去を地理として求める章―

 階段だけがある細長い部屋に、猫が一匹飛び出してきた。壁にあいたその穴から、次に火車が押し出されてくる。ついで識の腕が、そして頭が。
 狭い穴を這い出た識は、火車を背中に装着しながら階段を見上げた。古い木の階段が天井板まで続いていた。両脇は白い壁に挟まれている。猫に黙って手を伸ばすと、猫は、識の指先に鼻をこすりつけた。
 ルキーノがこの先にいるとは思えなかった。
 猫を鞄に入れて振り返ると、しかし今来た穴はもうどこにも見当たらなかった。
 背中が冷えるのを感じ……識は階段を上る。
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