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『夢見る病気』豊原ね子

投稿作品『夢見る病気』〈36〉 著者:豊原ね子

第三章 Utopia(第七枝 夏) 第五話 ハトは死んだ ――1/2

   第五話 ハトは死んだ

 ―1―

 世界中の闇という闇を凝縮したような真の闇の底に、人の体が落ちている。
 歯を食いしばり、ミナシキは転落の衝撃と痛みに耐えていた。指一本動かせるようになったのは、たっぷり時間が過ぎてからだった。といっても、実際にはどれくらいの時間なのか、本当のところは分からない。
 暗すぎる。首をもたげたが、それで何か変わるでもなかった。指を、足首をゆっくり動かし、体と方向の感覚を取り戻す。地面は平らではない。ごつごつした石の地面は、少し傾いている。次に腕を這わせ、周囲の状況を確かめた。
 崖などはなかった。安全を確認したほうへ、体を動かす。引き裂かれるような痛みが全身を貫いた。それでも「痛い」だけですんだのだ。もし転落の途中で意識を失っていたら、この程度ではすまなかったはずだ。目を大きく見開き、何も見えぬ場所を睨み、もしかして俺は失明したのか、と思いついた。
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