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竹の子書房用:黒実 操

熱い想い〈ホワイトディバージョン〉


 ごめんね。大丈夫? 痛くないかな。
 いや、僕は、その、貴女(あなた)に危害を加える気なんか一切ないよ。でもね、あの、こうでもしないと、貴女は逃げると思うんだ。
 だから、ごめん……。
 違う! 違うよ、そこは誤解しないで。
 僕は、貴女を汚(よご)すつもりなんてないんだ。
 僕はね、貴女の、その、清らかさに恋をした。貴女は、僕の光なんだ。
 縛っちゃって、ごめんね。でも、貴女に触れるときに、疚(やま)しい気持ちなんて持たなかったよ。大丈夫。誓える。
 不潔な欲望なんかで、貴女を汚すことなんてするもんか。そんなこと、僕にとっては耐え難い罪悪だ。貴女は僕の聖処女だ。
 清潔な貴女。
 愛してるんだ。
 この前は、チョコレートをありがとう。びっくりしたよ。貴女がまさか、あんな、バレンタインなんて俗なことをするなんてさ。
 え、義理? 義理って、そんな、照れなくてもいいよ。大丈夫。僕、ちゃんと判ってるから。 
 こんな世の中だもん。僕の想いを、そこらへんの男と同じ穢(きたな)らしいものと、貴女が誤解しても仕方がないよ。責めてなんかないよ。ごめんね。
 大丈夫。僕は、貴女を穢(けが)したりなんかしない。そりゃ、貴女は告白する以上、そういうことを覚悟していただろうけど。僕はそんな男じゃないよ。
 ね、一生懸命考えたんだ。
 どうしたら、この想いを、貴女がそのまま……、清らかなまま判ってくれるか。ずっとずっと考えたんだ。
大丈夫。僕、ほら、貴女も知っての通り、医療の心得があるんだよ? 
 大事な貴女に使うものだよ。この器具は全部、真っ更(まっさら)な清潔なものだ。
 僕を信じて? ね。
 大丈夫。最初に、ちょっとチクっとするだけだよ。
 針だって、もちろん新品だ。僕ね、上手なんだよ。ああ、ダメだよ。暴れちゃダメ。危ないよ。
配合もね、ちゃあんと研究したんだよ。ブドウ糖で薄めて、貴女のその綺麗な身体にまんべんなく回るようにしてあるんだ。
 貴女は清らかなまま、僕のこの想いを全身に巡らせる。ね、素晴らしいだろう。
 頑張って、たくさん出したんだよ。
 でも、もともとあんまり多くなくて、なんだか恥ずかしいよ。
 新鮮さも大事だし、三時間しか猶予がないからね……、足りるかな? それだけが、ちょっと不安だよ。
 貴女の心臓(ハート)に、脳(こころ)に、そして手足の末端(すみずみ)までもが、僕の想いで満たされる。言葉より、いいよね。ダイレクトに伝わるんだから。
 ね。今、届けるよ。
 僕の、この、熱い想い。
 
 
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黒実 操

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